2005年03月04日

「コエンザイムQ10」はいつから仕込まれていたか


資生堂は2003年の夏からコエンザイムQ10の
販売を強化しようと会員組織を作ったり販売員の教育を
するなどの努力をしていたとのこと。
地道な仕込みの結晶がブームの1要因となることを実感。

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コエンザイムQ10――資生堂「美」のブランド前面(ヒットを狙え)2005/03/04, , 日経流通新聞MJ, 5ページ, 有, 2382文字

 アンチエイジング型サプリメント(栄養補助食品)として話題の「コエンザイムQ10」。エネルギーを作り出し、老化を遅らせる抗酸化作用があるとして、特に美容に気を使う三十代以上の女性に人気が高く、品薄状態が続く。売れ筋トップは資生堂薬品。化粧品で持つ資生堂のブランド力とコエンザイムQ10の美容効果が、うまく融合している。
 日経POSで一月二十四日から二月二十日までの四週間、全国の小売り五十二チェーン、二百四十七店で、コエンザイムQ10を主成分とするサプリメントの売れ筋を調べ、ランキングした。サプリメントではウエートの大きい通信販売の好調組二品も別掲した。
 トップは資生堂の子会社、資生堂薬品が二〇〇二年十二月に発売した「コエンザイムQ10AA+HA」。細胞の老化を抑える抗酸化作用に焦点を当ててPRすることで、美容成分としてのコエンザイムQ10をアピールすることに成功した。
 同社の調べによると、「AA+HA」は現在、全国ドラッグストアによるコエンザイムQ10の総販売額のうち約四割のシェアを獲得している。
 〇一年四月の法改正で食品への配合が認められたQ10だが、当時の他社製品はもう一つの機能であるエネルギー生産を重視したPRをしていたという。後発の資生堂薬品があえて美容成分を重視した販売戦略をとったのは、化粧品メーカーである親会社のイメージを想起させ、化粧品で培ったマーケティング手法が生きるとの判断だ。
 代表例は光沢のあるオレンジ色の斬新な紙箱のパッケージ。「女性の目を意識して高級化粧品で使われるパッケージの素材を採用した。見た目に美しくどこに陳列しても目立つ」(資生堂医薬品事業部の中溝幸生課長)。さらに大豆イソフラボンや海洋性コラーゲンなど肌に張りつやを与える効果がある成分を配分し、美容効果を高めた。
 二位には大塚製薬の「ネイチャーメイド コエンザイムQ10」が入った。一九七一年に米国で発売されたサプリメント・ブランド「ネイチャーメイド」のマーケティング手法を踏襲。香料や着色料、保存料などを使用せず、老舗ブランドの「信頼性」「安心・安全」といったイメージを最大限にアピールした。
 商品性では他の成分は混入せず、コエンザイムQ10が持つ成分だけで勝負した。ヘルスケア事業部の平松卓也マネージャーはコエンザイムQ10について「ビタミン剤など基礎となるサプリメントを飲んだ上で、目的に合わせて適量を摂取すべきだ」と指摘する。ネイチャーメイド・シリーズの他のサプリメントと組み合わせて飲んでもらう巧みな戦略でもあった。
 三位に入った小林製薬、五位のリックジャパン、七位のオリヒロなどが製造する「コエンザイムQ10」は、すべてビタミンEや黒コショウの抽出エキスなど補助成分を配合し、コエンザイムQ10の吸収を促進する工夫をした。商品性に特徴はない半面、コエンザイムQ10の機能を十分に引き出している点が消費者に受け入れられた。
 通信販売では日清ファルマの「コーキューリブロン」とDHCの「コエンザイムCOQ10」が人気を集めている。特に日清ファルマは原料メーカーという立場から、〇二年末十二月には世界で初めて水溶性のコエンザイムQ10の原料を開発。〇四年四月、この原料を使ったか粒状のスティックタイプ「おんなのQ10」を市販ルートで発売するなど、コエンザイムQ10のすそ野を広げることに貢献した。
 資生堂薬品の強さは「三位一体のマーケティング」と呼ぶ販売促進の仕掛けにある。自社、販売店、顧客の三点を結ぶ三角形の各辺は、顧客の組織化、販売店との研究会、カウンセリング販売の充実というイメージになる。
 一つ目は情報提供型の商品告知と、顧客の巧みな組織化だ。資生堂のインターネット会員を招待して、コエンザイムQ10を紹介する一大イベントを都内で開いたのは、ブームとなるテレビ番組の放送より一年早い二〇〇三年の夏だった。
 同じ〇三年末には、顧客組織「Q10クラブ」を立ち上げた。登録した顧客には新製品の紹介や情報誌のプレゼントをする一方、商品に対する顧客の声を集めた。現在、クラブの会員は約十万人に達し“Q10ファン”のすそ野を広げた。
 「資生堂は本気でコエンザイム販売に乗り出すと、消費者のほか取引先の販売店にも宣言できた」(中溝課長)
 二点目はユニークな販促手法。資生堂薬品の営業マンと薬剤師という二人一組のチームを組み、〇三年秋から全国のドラッグストアに営業攻勢をかけた。コエンザイムQ10に関する勉強会を延べ百カ所以上で実施し、商品機能や効果、販売方法について徹底した情報提供を行った。
 勉強会の開催が一段落した昨年三月には「コエンザイムQ10販売研究会」を発足させた。ドラッグストア約五十社のバイヤーが参加、年二回定期的に開催する。研究会では販売店にとってのメリットや顧客アンケートの分析に基づいた販促方法などを詳細に説明する一方、取引先の生の声に耳を傾けている。
 大塚製薬の平松マネージャーも「サプリメントのマーケティングでは、正しい情報を消費者に伝えてもらうため、薬剤師や販売員への情報提供が最重要」と話す。
 三点目はカウンセリング販売の強化だ。販売店と顧客を結ぶ三角形の「斜辺」に当たる。研究会や教育プログラムを通じた情報支援がその力となる。
 資生堂薬品では九月十日を「Q10(キュー・テン)の日」にするよう、民間団体の日本記念日協会に登録申請した。〇三年当時社長だった矢野英二氏の働きかけによるもの。毎年、九月十日には店頭で大規模な販促を行い、息の長いブームに育てていきたい考えだ。
(石川陽平)
【図・写真】左が資生堂薬品、右が大塚製薬のサプリメント
【図・写真】コエンザイムQ10のサプリメントが人気(東京都港区のヘルスケアセイジョー三田店)


syttjp at 08:07│Comments(0)TrackBack(1)マーケティング関連 

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1. 「コエンザイムQ10」はいつから仕込まれていたか  [ コエンザイムランキングサイト/Q10ランキング ]   2005年08月12日 15:23
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