2005年03月08日

ビジョナリーの洞察力――長期的な成長へ必要条件(新風シリコンバレー)


「ビジョナリー」という、役職が企業の成功を導いているとのこと。
「技術革新の先行きとそれが及ぼす影響を見通す特殊な能力を持つ天才」のような意味をもったものだという。

「ビジョナリーカンパニー」をどうしても
イメージしてしまうが、自分自身も強みを活かして
「ビジョナリー」としてがんばっていきたい。

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ビジョナリーの洞察力――長期的な成長へ必要条件(新風シリコンバレー)2005/03/08, , 日本経済新聞 朝刊, 15ページ, 有, 1346文字

 スタンフォード大学大学院の学生だったジェリー・ヤン(36)とデイビッド・ファイロ(38)が米ヤフーを創業したのはちょうど十年前の三月。情報技術(IT)バブル崩壊後には株価低迷や人員削減などの試練を味わったが、現在の株式時価総額は約四百五十億ドル(約四兆七千億円)とソニーや日立製作所を上回る。
 二人がそれぞれ所有するヤフー株の現在価値は二十一億―二十八億ドル。普通の人間ならば一生遊んでも使い切れない巨万の富だ。彼らの肩書は創業直後から「チーフ・ヤフー」。お飾りの名誉職ではなく、今でも日々仕事をしている。
 日常の意思決定は最高経営責任者(CEO)に委ねているが、二人は常に新しいアイデアやビジョンを提供。ヤフーが単純なネット検索企業から、流通手段や広告媒体などの機能を併せ持つポータル(玄関)サイトに脱皮したのは二人の洞察力に負うところが多い。
 米国では彼らのようなリーダーをCEOとは別の概念として「ビジョナリー」と呼ぶ。日本ではなじみの薄い言葉だが、あえて定義すれば「技術革新の先行きとそれが及ぼす影響を見通す特殊な能力を持つ天才」ということになるだろう。
 シリコンバレーでの起業件数は年間数百に上るが、勝ち組に共通するのはビジョナリーの存在。最近の例では、昨年の株式公開ブームを先導した米グーグルの共同創業者、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ。古くはアップルコンピュータのスティーブ・ジョブズがそうだ。
 IT分野では技術の陳腐化・標準化が激しく、誰も考えつかないようなアイデアやビジョンがない限り永続的に競争力を保つのは難しい。
 それを顕著に物語るのはヒューレット・パッカード(HP)CEOだったカーリー・フィオリーナの解任だ。彼女が力を入れたパソコン事業は標準・汎用化の典型。CEOとしては優れていたかもしれないが、少なくともビジョナリーではなかった。体験的にビジョナリーの必要性を認識するシリコンバレー文化の中では、解任劇も当然と受け止められる。
 サンフランシスコ北西の街、オークランド。二年前に創業したソフト企業のデジピード社で最高技術責任者(CTO)の肩書を持つロバート・アンダーソン(36)もビジョナリー候補の一人だ。最終学歴は大学卒。大学院卒が大半を占める最近の米国の企業経営者では高学歴とは言えない。
 一九九〇年に大学卒業後、仲間らと別のソフト会社を設立。バブル崩壊直前に売却し大金を得た。その後、マネーゲームには目もくれず「数年間は勉強したり、ぼんやりしながら次のアイデアを練っていた」と言う。
 将来はコンピューター能力が電気や水道のようにネットワークを通じて提供されると予測。前の会社の売却資金を元手に、こうした未来を実現するソフトを開発する。
 CEOの究極目標が「株主価値の増大」なら、ビジョナリーの役目は「より良い社会の実現」といったところ。二つの要素のどちらが欠けても、シリコンバレーをはじめ米国では長期的な成長は厳しい。
 さて、日本のベンチャー界を代表するビジョナリーは誰だろうか。少なくとも「株主が喜びさえすればいい」と公言するような人でないことは確かだ。=敬称略
(シリコンバレー
=八田亮一)
【図・写真】創業10年を迎えた米ヤフー創業者のジェリー・ヤン氏


syttjp at 07:00│Comments(0)TrackBack(1)経営 

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