2005年03月19日

ネット通販各社、成長力に格差――事業モデル・戦略が左右。


野村総研などから「BtoC EC分野が5.5兆円、
ネットオークション分野が2.1兆円市場に拡大」などECの
市場が伸びる予測は大いに出ているが、
その中でも全ての企業が利益を生み出すという点で
勝ち組になっているわけではない。

活性化のための仕組みを独自でもっているかどうか。
そこに頭を徹底的に使っているかどうか。
特に今年はこの差がより鮮明に表れてきそうだ。

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ネット通販各社、成長力に格差――事業モデル・戦略が左右。2005/03/19, , 日本経済新聞 朝刊, 14ページ, 有, 1314文字


 パソコンや携帯電話を使ってインターネット通販を手がける新興企業の成長力に格差が出始めた。これまではブロードバンド(高速大容量)通信などの普及によるネット市場の拡大が追い風になり各社とも業績を伸ばしてきた。だが、一部企業が赤字に転落するなど、今後は戦略の巧拙が厳しく問われそうだ。
 ■収益源の多様化奏功 「事業モデルがうまく機能している」。ゴルフダイジェスト・オンラインの石坂信也社長は、二月の決算説明会で自信をみせた。二〇〇四年十二月中間期の単独経常利益は前年同期比三八%増の一億七千八百万円。〇五年六月期通期も七六%増の五億一千万円を見込んでいる。
 業績が堅調なのは、収益源の多様化戦略が奏功しているためだ。売上高の八割をゴルフクラブなどの通販、残りをゴルフ場プレー予約の手数料とサイト広告の収入が占める。ただ、売上高から原価を差し引いた売上高総利益(九億三千九百万円)の内訳でみると、通販と予約がそれぞれ四割、広告が二割になる。
 通販事業は利益率の低い事業に映るが、「各事業に相乗効果を生む貴重なけん引役」(石坂社長)。試し打ちをしてから買いたい人にはクラブを貸し出す徹底ぶり。ゴルファーの支持が、予約などの利用にもつながるという。
 通販自体の収益力も高まっている。売上高総利益率は一九%。採算のよい独自企画衣料などの取り扱いを増やし前年同期より一ポイント上昇した。
 ■「共同購入」で人気 携帯電話を通じた通販に強いネットプライスの〇五年九月期の連結経常利益は、前期比三九%増の七億六千万円の見通し。購入者が増えるほど商品の値段が安くなる「共同購入方式」が受け、ニッポン放送などと組み出演者が商品を紹介するなど他のメディアとの連携も集客の武器になっている。
 昨年八月に上場したものの、上場直後の〇四年九月中間期に三千百万円の単独営業赤字に転落したのが、DVD(デジタル多用途ディスク)や家電などを販売するイーネット・ジャパン。利用者増で売上高は伸びたが、割引政策や配送費用の負担が響いた。〇五年三月期通期も経常減益になりそうだ。
 ■自社サイト整備がカギ DVDや家電は、ネット上で価格競争が激しく利幅も薄いといわれる。イーネットJは自社サイトよりも、ヤフーや楽天などの仮想商店街を経由する販売が多く、商店街運営者への出店料負担も重い。自社サイトの充実や利益率の高い商品の追加を急ぐが、収益貢献は先になりそうだ。
 健康食品を販売するケンコーコムは一月末、〇五年三月期の単独経常損益を従来予想の七千二百万円の黒字から収支トントンになる見通しに修正した。福岡県内の物流拠点の拡充などに伴う投資負担もあるが、売上高が計画に届かないことものしかかっている。
 いちよし経済研究所の納博司主席研究員は「ブロードバンド通信の普及や携帯電話のデータ通信の定額制が、各社共通の追い風になるとは限らない」と話す。
 大和総研の長谷部潤シニアアナリストは「商品の利幅の違いだけでなく、顧客を呼び込めるように自社サイトを整備しているかが、収益にも影響しているようだ」と指摘する。今後は各社の戦略を見極める市場の目は一段と厳しくなりそうだ。(岡森章男)


syttjp at 11:53│Comments(0)TrackBack(0)経営 

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